被保険者が出産したときは、出産手当金が支給されます。
出産のため仕事を休んで給料が受けられないときには、出産の日(予定日より遅れたときには予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から、出産の日後56日までの範囲内で支給されます。
被保険者が出産(妊娠85日以上の死産・流産を含む)のため仕事を休み、給与を受けられない場合は、出産手当金が支給されます。なお被保険者の資格を失った場合でも資格喪失日の前日(退職日等)までに被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失日の前日(退職日等)に出産手当金の支給を受けているか、受けられる状態であれば、被保険者期間中に引き続いて支給を受けることができます。
出産手当金は出産の日、(出産が出産予定日より遅れた場合は出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日後56日までの期間で、支給要件を満たした期間について支給されます。なお、出産日は出産の日以前の期間に含まれます。また、出産が出産予定日より遅れた場合は、その期間を含めて支給されます。
[出産予定日に出産した場合または出産予定日より早く出産した場合]
[出産予定日より遅く出産した場合]
※1:10円未満を四捨五入します。
※2:1円未満を四捨五入します。
※3:「支給開始日」とは、医療健保組合で最初に出産手当金の支給を始める日をいいます。
◯支給開始日以前に12ヵ月の被保険者期間がある場合
【例】
【1日当たりの支給金額の計算方法】
支給開始日が属する月(R4.3)以前12ヵ月(R3.4~R4.3)の
各月の標準報酬月額を合算して平均額を算出します。
(30万円×5ヵ月+32万円×7ヵ月)÷12ヵ月÷30日×2/3=6,927円
◯支給開始日以前の被保険者期間が12ヵ月未満の場合
【例】
【1日当たりの支給金額の計算方法】
次のいずれか少ない方の額で計算します。
①支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬の平均額
②34万円(支給開始日が属する年度の前年度の9月30日における医療健保組合の全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額)
① 50万円×7ヵ月÷7ヵ月=50万円
② 34万円(令和3年度の平均額)
①>②のため、②の額で計算します。
34万円÷30日×2/3=7,553円
※給与の支払いがあり、1日当たりの額が傷病手当金の1日当たりの額より少ない場合には、その差額が支給されます。
傷病手当金を同時に受けられるとき
傷病手当金の1日当たりの額が出産手当金の1日当たりの額よりも多ければ、その差額を支給することとなります。
また、既に受けている傷病手当金の1日当たりの額が出産手当金の1日当たりの額よりも少ないときは、その差額を出産手当金として支給します。
産前産後休業期間中の被保険者は、保険料が被保険者負担分・事業主負担分とも免除されます。申請は、事業主が「産前産後休業取得者申出書」を健康保険組合に提出します。
また、出産前に産休期間中の保険料免除を申出した後に出産予定日と前後して出産した場合や、産休終了予定年月日の前までに産休を終了した場合は、事業主を通じて「産前産後休業取得者変更(終了)届」を健康保険組合に提出します。
出産(※)の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日後56日までの間で、妊娠又は出産に関する事由を理由として労務に従事していない被保険者
※出産 … 妊娠85日(4か月)以上の分娩をいい、早産、死産、流産、人工妊娠中絶を含みます。
産前休業を開始した月から産後休業が終了する月の前月(ただし、終了する日が月末である場合はその月)までの間
被保険者が、産前産後休業終了日の翌日の属する月以降3か月間(支払基礎日数が17日未満の月を除く。)の平均から算出した標準報酬月額が休業前の標準報酬月額と比較して1等級以上差があった場合、当該被保険者の申し出により事業主を経由して「健康保険産前産後休業終了時報酬月額変更届」を提出することで、実際の報酬に応じた保険料負担となります。
※引き続き育児休業を開始した場合は、この申出はできません。
満3歳未満の子を養育する被保険者は、事業主に申し出すれば育児休業を取得できますが、育児休業等の期間は、保険料が、被保険者負担分・事業主負担分とも免除(※)されます。申請は、事業主が「育児休業等取得者申出書」を健康保険組合に提出します。
※令和4年10月1日からは同一月内に短期間の育児休業を取得している場合でも14日以上取得した場合には当該月の保険料が免除となります。(月末に育児休業を取得している場合は取得日数に関係なく従来通り当該月の保険料は免除となります。)
ただし、賞与に係る保険料については1ヵ月を超える育児休業を取得している場合に限り、免除の対象となります。(取得期間が1ヵ月以下の場合は賞与に係る保険料は免除となりません。)
育児休業は、原則として子が1歳に達するまで取得でき、保育所に入れない等の事情がある場合に、例外的に子が1歳6ヵ月に達するまで延長できます。
子が1歳6ヵ月に達した時点で、保育所に入れない等の事情がある場合には再度申出することにより、育児休業期間を「最長2歳まで」延長することができるようになります。
※養子縁組里親とされることが適当と認められたにもかかわらず、実親等が反対したためやむなく養育里親とされている被保険者を含みます。
育児休業等を開始した月からその育児休業等が終了する月の前月(ただし、終了する日が月末である場合は、その月)までの間(※)
なお、女性に関しては労働基準法に定める産後休業期間(出産後8週間(56日))は、育児休業に該当しません。
※令和4年10月1日からは同一月内に短期間の育児休業等を取得している場合でも14日以上取得した場合には当該月の保険料が免除となります。(月末に育児休業等を取得している場合は取得日数に関係なく従来通り当該月の保険料は免除となります。)
ただし、賞与に係る保険料については1ヵ月を超える育児休業を取得している場合に限り、免除の対象となります。(取得期間が1ヵ月以下の場合は賞与に係る保険料は免除となりません。)
被保険者が、育児休業終了時に3歳未満の子を養育している場合で、育児休業終了日の翌日の属する月以降3か月間(支払基礎日数が17日未満の月を除く。)の平均から算出した標準報酬月額が休業前の標準報酬月額と比較して1等級以上差があった場合、当該被保険者の申し出により事業主を経由して「健康保険育児休業終了時報酬月額変更届」を提出することで、実際の報酬に応じた保険料負担となります。