被保険者
当健康保険組合に加入する事業所(適用事業所)に常時使用される75歳(寝たきり等の人は65歳)未満の人は、被保険者となります。
「常時使用される」とは、雇用契約書の有無などとは関係なく、適用事業所で働き、労務の対償として報酬を受けるという使用関係が常用的であることをいいます。試用期間中でも報酬が支払われる場合は、使用関係が認められることとなります。
※パートタイマー・アルバイト等でも常用的使用関係にある場合は、被保険者となります。1週間の所定労働時間及び1ヵ月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上である人も対象です。
また、1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満、1ヵ月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満、またはその両方の場合で、次の5要件を全て満たす人は、被保険者となります(短時間労働者)。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 雇用期間が1年以上見込まれること(令和4年10月から「2ヵ月を超えて」に改正)
- 賃金の月額が8.8万円以上であること
- 学生でないこと
- 特定適用事業所注1または任意特定適用事業所注2に勤めていること
注1:法人番号が同一である適用事業所の被保険者の総数が常時500人を超える適用事業所
注2:被保険者数500人以下の適用事業所で「短時間労働者」が社会保険に加入することについて、被保険者及び短時間労働者の2分の1以上の同意があった事業所
※ 注1及び注2の「500人」は令和4年10月から「100人」に、令和6年10月から「50人」に改正されます。
制度の詳細や手続き方法等は、「短時間労働者に対する健康保険の適用の拡大」をご覧ください。
加入すると
- 被保険者証(70歳以上の人は高齢受給者証も)が交付され、健康保険で治療が受けられます。
- 初任給などに基づいて、標準報酬月額が決められます。
- 翌月分の給料から保険料が天引きされ、また、ボーナスが支給されるつど賞与保険料が天引きされます。
被保険者資格の取得と喪失
被保険者の資格は、事業所に採用された日に取得し、退職したり死亡した場合はその翌日に、在職中は75歳になった日に喪失します。
事業主は、新たに従業員を採用したときまたは退職者等があったときは、被保険者について「被保険者資格取得届」または「被保険者資格喪失届」を5日以内に当健康保険組合に提出してください。
被扶養者
被保険者の収入で生活している日本国内に居住する75歳(寝たきり等の人は65歳)未満の家族は、「被扶養者」として健康保険の給付を受けることができます。
健康保険組合の認定が必要
結婚・出産・退職などにより、被扶養者を有するようになったとき、被扶養者が就職・死亡・75歳到達などにより被扶養者でなくなったときなど異動があった場合には、5日以内に「被扶養者(異動)届」を事業主を経由して当健康保険組合に提出してください。 なお、認定を受けようとするときは、被扶養者の条件を満たしていることを確認できる公的証明書等の添付が必要となります。
被扶養者の認定基準
被扶養者として認定を受けるためには、次のいずれの条件も満たす必要があります。
健康保険組合は次の項目に沿って総合的に審査した上で被扶養者に該当するかどうかを判断します。
認定条件
被扶養者の範囲
被扶養者の範囲は法律で決められていて、被保険者と同居でなくてもよい人と、同居であることが条件の人がいます。
なお、国内に居住している人が対象ですが、外国への留学など日本国内に居住していないが日本国内に生活の基礎がある人は例外として認められます。
また、日本国籍を有しない人で被扶養者の対象から除外する特別な理由がある人は被扶養者から除かれます。
(1)同居でなくてもよい人
- 配偶者(内縁含む)
- 子・孫・兄弟姉妹
- 父母・祖父母などの直系尊属
(2)同居であることが条件の人
- 上記以外の三親等内の親族(伯叔父母・おい・めい等)
- 被保険者の配偶者(内縁関係も可)の父母・連れ子
◇ 16歳以上60歳未満の家族
健康保険の被扶養者に該当する方は通常、(1)配偶者、(2)16歳未満の子、(3)60歳以上の家族です。16歳以上60歳未満の方は就労可能な年齢にあり、被保険者の経済的支援がなくても自立して生活できる場合が多くあります。このため、被扶養者になるためには就労できない状態にあること、被保険者が生活費のほとんどを援助しなくてはならない状態にあることを申告することが必要です。
被扶養者の収入
(1)被扶養者の収入限度額
- 59歳以下 → 年収130万円未満
- 60歳以上(または59歳以下でおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者)→ 年収180万円未満
- 限度額は年収130万円未満(年齢が60歳以上もしくは障害年金受給程度の障害者の限度額は年収180万円未満)かつ、被保険者の年収の2分の1未満となります。
なお、別居の場合は仕送り額が、認定対象者の収入を上回っている必要があります。
また、失業給付や傷病手当金などの日額による収入の場合は、収入限度額の360分の1未満、パートタイマーやアルバイトなどによる月額収入がある方は収入限度額の12分の1未満となります。
- 被扶養者の収入限度額
(2)収入の範囲
- 給与収入
- 各種年金収入(厚生年金・国民年金・公務員等の共済年金・農業者年金・船員年金・石炭鉱業年金・議員年金・労働者災害補償年金・企業年金・各種の恩給・自社年金・非課税扱いの遺族年金・障害年金・私的年金等)
- 事業収入(農業・漁業・商業・工業等自家営業に基づく収入。また保険の外交等自由業に基づく収入)
- 不動産収入(土地・家屋・駐車場等の賃貸収入)
- 利子収入(預貯金・有価証券利子等)
- 投資収入(株式配当金等)
- 雑収入(原稿料・印税・講演料等)
- 健康保険の傷病手当金・出産手当金
- 雇用保険の失業給付 又は傷病手当
- 保険者以外の者からの仕送り(生計費・養育費等)
- その他継続性のある収入(譲渡収入等)
(3)収入の算出方法と注意
- 認定対象者の収入は、扶養の事実が発生した時点から今後受ける見込みの収入で判断します。自営業者など今後受ける収入が見込めない場合は、前年度の収入を参考に判断することがあります。
- 給与収入は、所得金額ではなく税金等控除前の総収入金額(賞与・通勤交通費等を含む)で判断します。
- 事業収入は、総収入額からその事業を行う上での必要最小限の経費を控除した金額で判断します。
必要最小限の経費とは、原材料又は仕入れ額、原材料の運搬費又は商品の運搬費、水道光熱費、旅費交通費(通勤費除く)、通信費、他人を雇用した場合の人件費等となります。
組合が認める控除対象の必要経費は、税法上の取扱いとは異なります。
事業により違いがありますので、詳細についてはお問い合わせください。
- 雇用保険・出産手当金・傷病手当金等は受給額で判断します。日額換算で下記金額に該当する場合は、支給終了後に申請してください。
- 60歳未満の人は 3,612円以上
- 60歳以上の人は 5,000円以上
◇年間収入の考え方
- 年間を通して勤務(年金受給)の場合
→認定を受けようとする日から向こう1年間の収入見込みで判断します。
- 年の途中で就職した(年金受給額が変わった)場合
→就職(受給額変更)日から向こう1年間の収入見込で判断します。
- 退職した場合→退職日以降、収入がない場合は0円とみなします。
※年の途中で給与額が変わった場合の収入限度額(年収130万円)の具体例 例1)前1年間毎月5万円の収入が7月から毎月15万円の収入

例2)前1年間毎月5万円の収入が4月から毎月15万円の収入 さらに7月から5万円の収入

例3)前1年間毎月20万円の収入が5月から毎月5万円の収入

◇仕送り額
家族が別居している場合は、認定条件として被保険者が継続的な仕送りでその家族の生活費のほとんどを主として負担しており、被扶養者となる方の収入が仕送り額より少ないことが必要となります。
<別居であっても仕送りを証明するものが不要なケース>
扶養認定日
被扶養者(異動)届および必要書類一式が提出され、健康保険組合が扶養事実を認めた日が認定日となります。資格を取得した日またはその事実が生じた日から30日を経過して提出された場合は、原則として健康保険組合が受理した日が認定日となります。
主な認定日
- 出生のときは、出生の日
- 同居により扶養事実が発生したときは、同居の日
- 退職のときは、退職日の翌日
- 雇用保険の受給を終えたときは、支給終了日の翌日
- その他事実が確認できる日をもって事実発生日とするが、確認できないときは健康保険組合が受理した日とする。
扶養削除日
被扶養者の削除は、事実が発生した日まで遡って行います。
主な削除日
- 就職の場合は、就職日
- 死亡の場合は、死亡日の翌日
- 失業給付を受給した場合は、受給開始日(日額が収入限度額を超える場合)
- 年金の受給開始や年金額が変更したことにより、収入限度額を超える場合は、受取り開始月や変更となる月の1日(※1・2)
- 収入が増加した場合は、収入の増加する(した)月の1日
- 自営業の場合は、確定申告書、収支内訳書の税務署の受付日
(※1・2の例)

提出書類
(1)国内に在住する認定対象者の場合
被扶養者の収入の有無に関わらず、身分関係、生計維持関係が確認できる書類が必要です。
なお、新たに被扶養者として追加する場合は、被扶養者になった日が確認できる書類が必要です。
ただし、出生の場合及び生計維持関係の確認のための書類により確認できる場合は不要です。
また、日本国籍を有しない人は、滞在目的を確認する書類が必要です。
日本国籍を有しない人の滞在目的を確認するための書類の例
- 査証、在留カード又は特別永住者証明書、その他在留目的等がわかる書類の写し
身分関係の確認
身分関係を確認するための書類の例
※下記以外は、情報連携により確認できるため添付は不要です。
- 被保険者と認定対象者が別世帯の場合、戸籍謄本
- 認定対象者が内縁関係の場合、両人の戸籍謄本
生計維持関係の確認
収入を確認するための書類等の例
- 所得証明書、非課税証明
- 勤務先の給与証明、給与明細書の写し
- 雇用保険受給資格者証の写し
- 年金証書、年金の改定通知書の写し
- 自営業の場合、税務署の受付印のある確定申告書、収支内訳書の写し
退職日と被保険者資格の喪失日を確認するための書類等の例
- 退職証明書
- 離職票、雇用保険受給資格者証
- 健康保険(任意継続)被保険者資格喪失証明書
- 健康保険被保険者資格喪失確認通知書
仕送り額を確認するための書類の例
- 仕送りが振込みの場合は預金通帳等の写し
- 送金の場合は現金書留の控えの写し
被扶養者の認定時において、仕送りの事実と金額が書類で確認できない場合は認定できません。
この場合の認定は、初回の仕送りが書類で確認できてからとなります。
夫婦が共同して扶養している場合の確認書類の例
- 被扶養者となっていない配偶者の年間収入を確認する書類(直近の給与明細書等)
なお、配偶者が当組合の被保険者の場合は、申立書に健康保険の記号・番号を記載することで確認書類の添付は不要です。
(2)国外に在住する認定対象者の場合
国内居住要件の例外に該当することを証する書類等を添付してください。
なお、書類が外国語で作成されたものであるときは、その書類に翻訳者の署名がされた日本語の翻訳分の添付をお願いします。
確認するための書類の例
- 外国への留学生の人
~査証、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し
- 外国赴任する被保険者に同行する人
~査証、赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住する居住証明書等の写し
- 観光、ボランティアその他就労以外の目的で一時的に渡航する人
~査証、ボランティア派遣機関の証明等の写し
- 身分関係が生じた人
~出生や婚姻等を証明する書類等の写し
- その他日本国内に生活の基礎がある人
~渡航目的その他の事情を考慮する必要があるため、組合にご照会ください。
被扶養者の収入の有無に関わらず、身分関係、生計維持関係が確認できる書類が必要です。
※取扱いの詳細については、組合にお問い合わせください。
ダウンロード書類
健康保険被扶養者(異動)届
任意継続被保険者
被扶養者(異動)届
参考資料